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    断面補修工(左官工法)の施工方法

    断面補修工とはコンクリート内部鋼材の腐食膨張や凍害、アルカリ骨材反応によるひび割れ等により欠損したコンクリートの補修や豆板などにより劣化因子の遮蔽性能が著しく低下したコンクリートを部分的に撤去し、補修する工事です。

    大きく分けて工法は左官工法、充填工法、吹付け工法と3種類ありますが、比較的小さな断面の補修にはポリマーセメントモルタルをコテ塗りする左官工法、大きな断面を施工する場合は材料をポンプ圧送で吹付けする吹付け工法が採用されます。充填工法は型枠を組み、流動性に優れたコンクリートを流し込み、充填させる工法で主に沓座部等に採用されます。

    今日はこの中でも橋梁修繕工事でよく採用され、唯一積算基準に対応している左官工法の施工について書いていきたいと思います。

    施工手順.

    1. 補修範囲決定
    2. カッター切断
    3. 劣化部除去
    4. 鋼材ケレン
    5. 防錆処理
    6. 断面補修
    7. 養生

    1.補修範囲決定

    まずは、現地調査を行います。

    橋梁修繕工事をする橋は損傷の進行期の橋の為、施行を行う時は工事発注時よりも損傷が大きくなっている可能性があるので、この時に打診調査を行い、浮き・欠損範囲が広がっていないか確認します。

    この結果をまとめて監督職員に報告し、現地立合いの元、補修範囲を決定します。

    2.カッター切断

    立会により決定した範囲周辺にグラインダーで深さ10~20mmの切込みを入れます。

    ここで深く入れすぎて鉄筋ごと切断してしまわないように設計より少し浅めに入れてその後のチッピングで深さを調整するといいとおもいます。

    3.劣化部除去

    ハンドブレーカー・電気ピックを使用し、コンクリート脆弱部を撤去します。

    この時にコンクリートの浮きを残してはいけません。これは斫り作業をしている本人が音と手の感覚で一番わかると思いますので確認しながら不良箇所を全て取り除きます。

    4.鋼材ケレン

    鉄筋部は鉄筋裏側まで斫ります。そうすることで断面補修材の引っ掛かりを良くし、施工後に補修部が再度浮いてくるのを防ぐことができます。

    この時、鉄筋が腐食している場合、電動工具・ワイヤーブラシ等を用いて錆を除去します。

    5.防錆処理

    錆を除去後に長時間放置すると戻り錆が発生するので速やかに防錆処理を行います。

    刷毛や噴霧器等で鉄筋の裏側もしっかり塗り込んで下さい。

    6.断面補修

    施工断面全体に刷毛等でプライマーを塗布後、プライマーの粘着があるうちにポリマーセメントモルタルを塗付けます。この時材料の塗付け厚を遵守し、それ以上の厚みがある場合は2層に分けて施工します。

    塗り重ねを行う場合は必ず1層目と同じように接着面にプライマーを塗布しましょう。

    その後、金鏝を使用し、表面を平滑に仕上げます。

    材料の練混ぜは既定の水分量で行い、撹拌機を使用して行いましょう。初回練混時に圧縮強度試験用の供試体を採取します。

    7.養生

    施工条件に応じて適切な方法で養生を行います。

    冬の低温時には投光器やヒーターなどを用いて養生温度を維持するといいでしょう。

    まとめ

    今日は断面補修工の中の左官工法について書きました。

    手順の通り施工すれば決して難しいものではないと思います。

    それでは、ご安全に。

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