土木工事の現場代理人をすることになりました。
工事がどのような流れで進むのか教えてほしいです。
現場代理人になると、工事の責任が全て自分にかかってくるので不安になりますよね。
今日は土木工事の進め方と心構えについて書いていきます。
こんにちは、当サイト『ドボクジゾー』を管理しているジュンチャムです。
このサイトは、現役で土木工事の現場代理人をしている私が、過去に悩んだ経験をもとに情報を発信していくブログです。
ジュンチャムってどんな人?
✅ 土木歴10年(現役)の現場代理人。
✅ 3児(小学生2、幼児1)の父。
✅ 趣味でメダカを飼っている。
土木工事というと様々な工種があるので「10年程度の経験で役に立つ記事が書けるの?」と、疑問に思った方もいるでしょう。
実際に私自身、現場代理人として工事に関わっていますが、会社の中でも私よりも知識も経験もあり、仕事のできる先輩はたくさんいます。
それでもこれまでに何十件もの土木工事を竣工させてきましたし、その中には優良工事表彰で優秀賞の成績を納めた工事も含まれることから、これから現場管理を始める方にとって参考になる記事を書くことができると思っています。
今日の内容は、土木工事の進め方(完成までの流れ)についてです。
現場管理という仕事は、これから工事を進める上での問題を先回りして解決しておくことが重要になります。
準備が全て後手後手にまわってしまい、追い詰められるようなことにならない為にも、是非、この記事を最後まで見てみて下さい。
- 土木工事の進め方(完成までの流れ)
- 現場代理人の心構え
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土木工事の流れ
まず、土木工事の基本的な流れを見てみましょう。
土木工事の仕事は、そのほとんどがいわゆる公共工事なので、まず入札に参加し、工事を落札するところから始まります。
工事を落札した業者がその後、完成まで工事を進める事ができる仕組みになっています。
私自身もそうですが、このstep.1(入札)とstep.2(契約)までは別の部署や、中小企業であれば経営者がする場合が多いので、これをみている方の多くはstep.3(着工準備)から工事に関わることになるのではないでしょうか。
step.1 入札に参加
入札とは、公的機関(主に国や市町村)が民間業者に向けて業務を発注する調達制度のことです。
不特定多数の希望業者を参加させ、そのうち発注機関にとって最も有利な条件を提示した企業が工事を落札し、その後の工事を進めることができます。
入札方法は、大きく分けて「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」の3つがあります。
覚える事が多い今の段階では、入札に関してはこれぐらいの事が理解できていれば十分だと思います。
今後、複数の工事を経験し、工事成績に意識が向くようになったら詳しい仕組みや総合評価方式についても学ぶようにしましょう。
step.2 契約の締結
工事を落札したら、発注者と契約書を交わします。
契約締結は必ず落札通知の日から7日以内に行います。
発注者によって微妙に違いはありますが、この時、請負業者は主にこれらの書類を提出します。
- 工事請負契約書
- 契約保証金に係る領収書または保証証書等
- 建設業退職金共済 掛金収納所
- 建設業労災補償共済制度加入証明書
- 現場代理人等決定(変更)通知書
- 工程表
ここで誰が現場代理人になるのか、決まるんですね。
その通りです。この後、会社の社長(上司)から伝えられます。
この工事の現場代理人は君だ!!
ここから、あなたの現場代理人としての業務が始まります
step.3 着工準備(施工計画書等)
現場代理人になったあなたがするべきことは、ものすごくたくさんあります。
とても1日や2日でできるものではないので、まずは優先順位をつけるところから始めましょう。
私の場合はまず、発注者に連絡して初顔合せの日程を決めた後、10営業日以内に必ずしなければならないコリンズ登録を先に済ませてしまいます。
その後、工事までに必要な書類を優先度の高い順に作っていくといったイメージでどんどん進めていきましょう。
- 発注者に連絡(初回顔合せ)
- コリンズ登録
- 施工計画書の作成
- 材料の準備(材料承諾願)
- 産業廃棄物契約
- 施工体制台帳
- 設計図書照査
- 日程の調整
- 事前測量
- 工事看板・掲示板の作成
- その他(交通規制書類等)
この中でも、大きなウエイトを占めているのが施工計画書なのですが、これを作るコツは、最初から完璧を目指さないことです。
最初から気合いが入りすぎて100点の書類を目指してしまうと、他でも手を抜くことができなくなってしまうので後々苦しくなってしまいます。
それに、完璧だと思っても落ち着いた時に見返してみると直すところがたくさん見つかったりします。
とりあえず、提出できる最小限の施工計画書を作ってみて、余裕ができたらその書類の完成度をどんどん高めていく方がうまくいく確率が高いです。
step.4 工事施工
工事の準備段階は自分のペースで作業をすることができますが、工事が始まると複数の業者(自社施工であっても複数の人間)が一斉に作業をすることになるので現場管理は忙しくなります。
- 発注者との連絡調整
- 打合簿や段階確認書類の作成
- 関係協力会社との調整
- 材料の在庫管理
- 生コンや合材の発注
- 工事写真の撮影と管理
- 地元住民への対応
少なくとも、これだけの事は常にやり続ける必要があります。
その為に必要になってくるのは問題が起こる前に解決する能力です。
段取り八分仕事二分という格言があるように、事前にきちんと段取りし、トラブルになりそうな事項や作業手順をチーム全体で共有しておくことで仕事の質もスピードも上がるということを肝に命じておきましょう。
step.5 検査書類作成
現場が完成すると検査を受ける為に必要な書類の作成をしていくのですが、土木工事の検査書類は多岐にわたるので、私自身もこの時期が一番ナーバスになります。
工事が終わった後にまとめてそろえようと思ってもその時にはどうにもならないこともあるので、日ごろから必要な書類は確認し備えておくことでこの負担を軽減することができるでしょう。
step.6 工事プロセス検査・完成検査
書類が完成したら、いよいよ完成検査です。
私から言えることは1つだけ、終わらない工事はないということです。
私自身、何十件もの完成検査を受けてきている中で、厳しい検査官に当たってボロクソに言われた苦い思い出に残る検査もありました。
そんな工事でも、無事、終わっています。
- 焦らないこと
- ハッキリと応答すること
- ウソはつかないこと
主に注意点はこの3つですね。
特に、してもいないことをしたとウソをついて、それがバレると信頼関係が一気に崩れることになるので絶対にダメです。
どれだけ検査書類をさがしても、作っていない書類はありませんし、やってもいない事をしたことにもできません。
『今後の課題です!!』
いざという時はこの一言で乗り切りましょう。
頑張って下さい。
これが終わった後の解放感はすごいですよ。
step.7 引渡し
検査が終わったら、工事完成届と工事目的物引渡書を提出します。
現場検査後にその足で行くこともあれば、後で事務員さんが持って行く場合もありますが、もう工事は終わっているのでどうだっていいです。
※ウソです。大切な書類です。
ドヤ顔で提出しましょう。
step.8 工事成績獲得
自治体にもよりますが、検査後1か月程度で工事成績が届きます。
検査が無事、合格している時点で65点以上は確定です。
大体の工事は70点~80点程度に収まり、80点を越えていたら高得点と言えるでしょう。
この80点という点数は、今後現場代理人を続ける上で、1つの目標になる数字だと思うので、今後、今より更に上を目指そうと思っている方はこちらの記事も読んでみて下さい。
コメント
コメント一覧 (3件)
[…] 完成検査で注意しなければならないことは、過去の記事「土木工事の進め方」で書いたことと基本は同じです。 […]
要望を、書かせていただきます。
「step.5 検査書類作成」において述べられておられますが、
日ごろから備えておくべき書類について、別途でもよいので、
取り上げていただけると助かります。
もし、既に取り上げておられるのでしたら、ご紹介ください。
よろしくお願いいたします。
sugaiwate様、コメントありがとうございます。
工事中に備えておくべき書類については記事としてまだ書いていないので、近々取り上げさせていただきます。