私たちが暮らしているこの日本には橋長2m以上の橋梁が約70万橋あります。
その橋のほとんどは高度経済成長期に架設された橋であり、2021年現在では筑後50年以上経過している橋が約50%、10年後には65%になると言う事実がある中でこれらをどのように維持管理していくかが課題となっています。
コンクリートの寿命は約50年といわれていますが、財政の制約がある中で全て新しい橋に架け替えるわけにもいかない為、これらの橋を日々点検・修復し、少しでも橋の寿命が延びるように維持修繕し続けることが大切なのです。
今日はこの橋梁修繕工事の中でも施工頻度の高い6工種について説明しようと思います。
目次.
- 断面補修工
- ひび割れ補修工
- 表面被覆工
- 橋面補修工
- 伸縮装置取替工
- 排水管補修(取替)工
1.断面補修工
断面補修工とは、コンクリートの浮き・剝がれの部分を斫り、取り除いた後、コテ・ヘラ等でモルタルを塗り補修する工法です。
材料は主にポリマーセメントモルタルもしくは軽量骨材を使用したエポキシ樹脂モルタルを使用します。
2.ひび割れ補修工
ひび割れ補修工(注入工)とはコンクリート表面のクラックに座金を設置後シーリングで蓋をし、硬質エポキシ樹脂や可とう性エポキシ樹脂を低圧で注入する工法です。
上写真の注入工は比較的クラック幅の小さい箇所で採用され、クラック幅が1mmを超える場合は充填工(Uカット工法)が多く採用されます。
3.表面被覆工
表面含浸工とはコンクリート表面にシラン・シロキサン系含浸材を塗布し、コンクリート表層部に吸水防止層を形成することでコンクリート構造物を塩害、凍害、アルカリ骨材反応等の劣化要因から守ります。
外観がほとんど変わらず、施工後も目視による点検が可能となる為、橋梁工事では多く採用されています。
4.橋面補修工
橋面補修工とは人や車が通る部分のアスファルト(コンクリート)舗装を取壊し橋面防水を施した後、再びアスファルト(コンクリート)復旧をする工事です。
5.伸縮装置取替工
伸縮装置取換工とは、老朽化した伸縮装置を取壊し、交換する工事です。
様々な形状の物があり、橋梁の伸縮量・遊間量によって適した物を選定します。
早期の規制解放が要求される為、取合のコンクリートは3時間で硬化する「超速硬コンクリート」を使用します。
6.排水管補修(取換)工
配水管補修工とは老朽化した排水管の補修(取替)を行う工事です。
配水管の材質・状態によって方法は変わりますが鉄製の配水管の場合はケレンして再塗装、損傷が激しい場合は紫外線硬化型FRPシートで補修後再塗装か新しい配水管と交換となります。
まとめ
今日は過去の工事の経験から施行頻度の高い工種をまとめてみました。
今後はそれぞれの工種の注意点・施行内容について書いていこうと思います。
それでは、ご安全に。
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